コラム

ココロンはかせの子育てゼミナール*6月

はいはい、みなさんこんにちは。
さてみなさんは、雨も子にとってとても大切な「育ちのチャンス」だということを知っとるかな?

雨は、子の感覚や心を大きく育てる。

レインコートに傘、そして長靴。

レインコートを羽織ると、重たさを感じ、湿った空気が胸元にモワッとこもる。
ゴワゴワ、シャカシャカした生地のボタンやファスナーを閉じるときは、いつもより少し手間取り、手や指先を上手に使わんとならんなぁ。
レインコートの固いフードをかぶると、なんだか特別気分。脱げないように頭や首の動きを微妙に調整しながら歩く。

傘で手がふさがったまま歩くのも、傘に振り回されながらバランスをとるのも一苦労。体を上手に使う。

 

長靴は中で足が動きやすいから、脱げないように、靴下がズレないように、足の指を使って踏みしめ歩く。

こうした雨の日ならではの重装備は、『体を思い通りに動かす力』、『道具をうまく使う力』、『状況に合わせて行動を調整する力』を自然に育ててくれる。

雨の日には、五感を使うチャンスもたっぷり。

例えば、水たまりの表面に足をソォ~ッと乗せると靴越しに、足の裏に冷たさが伝わり、ジワリと水の感触が広がる。
ピチャピチャ、ビチャビチャ、バシャバシャ……歩き方によって変わる音と水の跳ね方。

顔に跳ねた水滴の冷たさと泥跳ねのベッチャリとした違うそれぞれの感触。
鼻に入ってくる、雨の日特有の土や葉っぱのムゥンとした匂い。
傘越しに見える、歪んだ景色。
傘に打ちつける雨粒の音。
“怒られちゃうかな?”と何となく思いながらも、いたずら心に駆られ、雨が流れ落ちる家の屋根の角に立った時の、ドドドドドッという傘への重くて強い、雨の振動。

雨の日はいつもとはまた違う、『触って(触覚)』、『聞いて(聴覚)』、『見て(視覚)』、『においを感じて(嗅覚)』、『体でバランスを取る(平衡感覚)』の五感をまるごと働かせる。

この全身を使った体験が、『感覚をひとつひとつ別々に使うのではなく、まとめて働かせる力(感覚統合)』を豊かに育てていく。

また、雨の日は視界が悪くなり、地面も滑りやすくなるからこその命を守るための学びもたくさん。

例えば、

1.傘を少し後ろに傾けて左右をしっかり確認する
2.「自分からは見えても、車からは見えないかもしれない」と、より意識して想像する
3.車がスリップしてくるかもしれないと考える
4.車からの水撥ねがかからないように車道から大きく離れて歩く
5.水たまりを避けるなど足元に気をつける
6.傘が人や物に当たらないように周囲に配慮する

こんな行動から、『危険を予測する力(危険予測力)』、『自分を守る感覚(自己防衛感覚)』、『他者を思いやる心(社会的配慮)』を身につけていく。

雨の日には、楽しみにしていた予定が中止や延期になることも多いが、例えば、「家の不用品を大捜索して大型作品大作!」「お部屋を真っ暗にしておうちかくれんぼ!」など、予定変更を前向きに受け止め、新しい遊びを自分で創り出すことの繰り返しから、

『気持ちを切り替える力(心理的柔軟性)』、『新しい楽しみを見つける力(創造性)』、『イライラやガッカリの感情を自分でコントロールして落ち着かせる力(感情調整力)』が鍛えられていく。

どんな日も、子には、残念な日も無駄な日もなく、すべてが子の未来を紡ぐ「育ちの種」。

それを親子で一緒に楽しめたなら、未来を生き抜く力がさく裂するぞよ。

 

 

2025年06月19日

ココロンはかせの子育てゼミナール

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